Law 5 · The Referee · 2026/27
第5条 主審
「主審の判定は絶対」は半分だけ正しい。覆せるのは、次のプレーが再開されるまでだ。
30秒でわかる
4 行- 1
主審はその試合について、競技規則を運用する一切の権限を持つ。
- 2
得点や試合結果を含め、プレーに関する事実の判定は最終である。
- 3
ただし判定を見直せるのは、プレーが再開される前まで。前後半終了後にフィールドを離れた後も同様に変えられない。
- 4
VARが介入できるのは「得点」「PK」「退場」「警告・退場の人違い」の4つに限られる。2026/27版から、退場には明らかに間違った2枚目の警告による退場も入り、大会が選べばコーナーキックの誤りも対象になる。
要点
6 件反則があっても、反則されなかった側がそのまま得をしそうなら主審はプレーを流す(アドバンテージ)。その利益がその場か数秒以内に実現しなければ、あとから元の反則を罰する。
同時に2つ以上の反則が起きたときは、罰則・再開方法・負傷の重さ・戦術的な影響を見て、より重い方だけを罰する。
主審が懲戒処置をとれる権限は、試合前のフィールド点検の入場時から、試合(PK戦を含む)終了後にフィールドを離れるまで続く。
負傷は軽ければ流し、重ければ止める。治療中の選手はフィールドの外に出るのが原則で、フィールド内で治療を受けられる例外はGKの負傷など限られた場面だけ。
VARが介入できるのは「はっきりとした、明白な間違い」か「見逃された重大な事象」のときだけ。プレーが再開された後に見直せるのは人違いと、退場級の重い反則(乱暴な行為・つば吐き・かみつきなど)に限られる。
主審や審判員は、判定や試合運営上の判断から生じた負傷や損害について法的な責任を負わない。
場面で覚える
Scene → Ruling → Why · 5 scenes
得点を認めた後に誤りが分かった
場面
主審がゴールを認めて笛を吹き、両チームがキックオフのために所定の位置についた。そのあと副審から「実はボールはゴールラインを割っていなかった」との報告を受けた。
判定
判定は変わらない(得点のまま)
なぜ
プレーが再開される前なら判定を見直せるが、次のプレー(この場合はキックオフ)が再開された後は、得点や試合結果を含む事実についての判定は最終になる。あとから誤りに気づいても、他の審判員から助言を受けても変えられない。
根拠: 第5条 2
アドバンテージを見た後にカードを出す
場面
攻撃側が相手のファウルを受けたが、そのままボールを保持して数的優位のチャンスになりそうだったので、主審は笛を吹かずプレーを流した。数秒後、攻撃はうまくいかず、味方へのパスもカットされた。
判定
その場に戻って元の反則を罰する(カードを出すこともある)
なぜ
アドバンテージは「そのとき、または数秒以内」に利益が実現するかどうかで判断する。実現しなかったので、あとから元の反則を罰する。反則が警告・退場に値するものであれば、プレーが止まった時点でカードも出せる。
根拠: 第5条 3
VARで見直せる4つの事象
場面
攻撃側の選手が守備側の激しいタックルを受けて倒れた。主審はその反則にイエローカードを提示した。ベンチから「レッドカードではないか」という抗議が上がった。
判定
VARは介入しない(イエローカードのまま)
なぜ
VARが援助できるのは、得点・PK・退場(一発退場と、2026/27版からは明らかに間違った2枚目の警告による退場)・警告や退場の対象者を間違えた場合、の4つに限られる。「どの程度重い反則か」というカードの色の評価そのものは対象に含まれないので、主審の判定がそのまま残る。
根拠: 第5条 4
パスが主審に当たった
場面
攻撃側のパスがフィールド内にいた主審の足に偶然当たって方向が変わり、そのままボールを持っていた守備側から攻撃側へとボールの支配が入れ替わった。
判定
プレーは止まり、ドロップボールで再開
なぜ
ボールが審判員に触れても、通常はインプレーのまま続く。ただし、それによって①大きなチャンスの攻撃が始まる、②ボールが直接ゴールに入る、③ボールを持つチームが入れ替わる、のどれかが起きたときだけプレーが止まり、ドロップボールで再開する。この場面は③に当たる。
根拠: 第9条 1(第5条参照)
GKが長くボールを持っている
場面
守備側のGKが自陣ペナルティーエリア内でボールを手に持ったまま動かない。しばらくして主審が片手を挙げ、カウントダウンを示し始めた。
判定
8秒を超えると相手のコーナーキック
なぜ
GKが手や腕でボールをコントロールできるのは8秒までで、超えると反則になる。主審は残り5秒になったタイミングで手を挙げてカウントダウンを示す。これは2025/26に加わった主審の合図で、判定自体は8秒を超えたかどうかで決まる。
根拠: 第5条 6(第12条参照)
場面はすべて条文から逆算した仮想のものです。実在の試合・審判員の判定は題材にしていません。
変わったこと
6 件-
2026/27
競技会は、VAR・ボールのイン/アウト(ゴールラインテクノロジー)・オフサイド(半自動オフサイド)にテクノロジーを使える(非公式な使用はできなくなる)。
-
2026/27
再開のやり方が間違っていてもボールがインプレーになったら、アドバンテージを使えることがはっきりした。
-
2026/27
フィールドの中で負傷の確認や治療を受けた選手、負傷でプレーを止める原因になった選手は、一部の例外を除いて、いったん外に出て再開から1分間は外にいる。
-
2026/27
VAR が見直せる場面に、明らかに間違った2枚目の警告による退場と、どちらかのチームの別の選手が反則したのに出したカード(人違い)が加わった。間違って与えたコーナーキックも、競技会が選べば見直せる。
-
2026/27
競技会は主審・副審・第4の審判員にボディーカメラをつけさせることができる。
-
2025/26
GKが手でボールを持てるのは8秒まで。残り5秒になったら主審が手でカウントダウンの合図を出す。
競技規則は毎年7月1日に改正されます。新しい順に並べています。
- アドバンテージ
- 反則があっても、反則を受けなかった側が得をしそうなときにプレーを流すこと。利益が実現しなければ、あとから反則を罰する。
- VAR(ビデオアシスタントレフェリー)
- 得点・PK・退場(2026/27版から明らかに間違った2枚目の警告による退場を含む)・警告退場の人違いの4つ(大会が選べばコーナーキックも)に限り、リプレー映像で主審の判定を援助する審判員。
- はっきりとした、明白な間違い
- VARが介入できる基準のひとつ。誰の目にも分かるレベルの誤りのこと。
- 見逃された重大な事象
- VARが介入できるもう一つの基準。本来罰せられるべき重大な反則などを主審が見落とした状況。
- ドロップボール
- 反則によらずプレーが止まったときの再開方法。ボールが地面に触れた瞬間にインプレーになる。
- 一時的退場
- 競技会規定で認められている場合に命じられる、一定時間フィールドを離れる処分。
出典
5 件- downloads.theifab.com/downloads/changes-to-the-laws-of-the-game-202627?l=en
- www.jfa.jp/laws/soccer/2025_26/#005
- www.theifab.com/laws/latest/the-referee/
- www.jfa.jp/documents/pdf/soccer/law_soccer_250619_01.pdf
- www.jfa.jp/documents/pdf/soccer/law_soccer_260528_01.pdf
このページは条文の転載ではありません。条文そのものは上の出典(JFA の日本語版・IFAB の原文)で確認できます。最終確認日: 2026-10-10。
読むより、判定してみる
今の、ファウル? · 1 questions
この条が根拠になる場面
1 問-
前半20分、0-0 — あなたが主審なら、どう判定しますか。
場面はすべて条文から逆算した仮想のものです。選ぶとその場で正解・根拠の条・みんなの判定が出ます。
VARが介入できる場面と流れ アドバンテージのルール(流すか止めるか・後からカード) 17条の一覧 J1の主審の一覧
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